食べるという行為は健康に直結しています。
私たちは【食】を軸にした予防歯科医療を考えています。
食育は、生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるものであり 、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することができる人間を育てることです。(農林水産省のHPより抜粋)

歯科から見える食育

食べるという行為は、生まれてからずっと誰も代わってあげることができない行為です。「大切なことは、口に入れるものを選んで、しっかり噛むこと。病気やストレスに勝つカラダを作ること。」あなたを作りあげるもの、それが食事です。
あごの働き
・年齢に合った食事をする。
・前歯で噛み切って左右の奥歯でよく噛む。
・噛み応えのある大きさ・硬さの食事をする。
・口を閉じて食べる。
・お茶やお水で流し込まないようにする。
食事の姿勢
・あごを出して食べない。
・足底全体を床につけて食べる。
・骨盤を立てて座るようにする。
・ひじ、ひざを直角にして座るようにする。
・体に合った椅子の高さに気を付ける。
・お箸や食器などの道具は、成長に合わせて変える。
歯
健康的な食事のバランスを知る
3大栄養素・5大栄養素とは何か
知っておくことが大事です。
おもに5つの栄養素をきちんとバランスよくとるには、いろいろな食品を食べる必要があります。栄養素として、エネルギー源になる炭水化物・脂質・タンパク質を総称して「3大栄養素」といいます。
この「3大栄養素」に無機質(ミネラル)とビタミンを加えたものを「5大栄養素」といいます。食品によって、炭水化物が多いもの、タンパク質が多いもの、脂質が多いものなど特性があります。1つの食品や栄養素にこだわらず、さまざまな食品をバランスよく食べることが大切です。

栄養学に基づく食の選び方

流し込み食べをすると
胃液は薄まります。
食事の際に水分で流し込み食べをすると、胃酸が水で薄まり殺菌力が落ちてします。良く噛んで唾液をたくさん出して噛むことが病気の予防にもなりとても大切です。
過去に食中毒などの時、水を飲まないで食べるという事があったようです。
詳しい記事はコチラから。
当院は、「あなたの歯を
守り育てる歯医者さん」として
食育支援歯科のグループへ
参加しています。
詳しくは、
みんなの食育支援歯科サイトへ
歯
子どもの食育について
子どもの食育は、
体に良い「食」を学び、
選ぶ力を「育てる」こと

お口の中のこと

草食動物はすり潰す歯で野菜を食べることができますが、肉などを噛み切ることができません。かたや肉食動物は、噛み切る歯の形で肉や骨までを噛み切る強い歯を持っていますが野菜などをすり潰すことができません。
ヒトの歯は、雑食型といわれており、前歯で肉や野菜を噛みきることが、奥歯ではすり潰すことができる形になっていますが、歯にはそれぞれの役割があります。
顎を動かして噛むことで唾液が出てきます。
唾液に含まれるミネラルが歯を丈夫する役割を担っています。また、良く噛むことと頭部の血流が良くなり脳の働きを活発にすることもわかっています。
噛むときは色々な食べ物を偏りなくすべての歯を使って食べることを心がけましょう!

出産から乳幼児

【はじめの1000日】という標語があります。これはおなかの中にいる270日と2歳のお誕生日までの期間(365日×2年)を合計すると1000日になるのです。はじめの1000日は生涯の健康に大きく影響する期間です。

幼児期

ミルクから離乳食に移行する時期は、赤ちゃんが初めて食べ物を受け入れる大切な時期です。
食べ物の硬さや大きさ、とろみなどの食べ物の工夫も必要ですが、スプーンの形や大きさ、食べる時の姿勢なども呑み込むときに影響がでてきます。スプーンでご飯をあげる際も自分で食べ物をとりこむ【捕食】を意識すると良いとされています。
お子さんがご自身で手づかみ食べをするようになってきますが、手づかみ食べはお子さんの脳や体、こころの発達にとても大切な行動と言われています。

学童期の食育目標

「食の体験を深め、食の世界を広げよう」

厚生労働省の【食から始める健やかガイド】より抜粋

○ 1日3回の食事や間食のリズムがもてる
○ 食事のバランスや適量がわかる
○ 家族や仲間と一緒に食事作りや準備を楽しむ
○ 自然と食べ物とのかかわり、地域と食べ物との関わりに関心をもつ
○ 自分の食生活を振り返り、評価し、改善できる
食育についてのお話は、当院でも施術中にお話しさせていただきますが、さらに詳しい内容を聞きになりたい方は、イベントやセミナーを開催・ご紹介しております。ご興味のある方は、当院スタッフへお声がけください。

様々なお口の役割

お口の役割は食べ物を噛んだり潰したりするだけでなく、言葉を発したり呼吸をしたりと様々です。
以前に比べて、お子さんのむし歯は減りました。しかし近年、お子さんのお口の中の問題点は【噛みきりにくい】【飲み込みにくい】【言葉が明瞭でない】【いつも口が開いている(おくちポカン)】など、むし歯よりも食事や生活中にお困りになることが多いと言われております。
この問題の解決法の一つとして、日々の食事の時から良く噛んで食べ、お口周りの筋肉や舌の発達を促す方法があります。子どもは歯も小さく歯の本数も少ないです。そのため、大人と比べて食べ物を噛み切る能力が低いのですが、安易に食べ物を細かく刻んだり、ミンチにすることはよい食事ではありません。一口量を調節しながら、ゆっくりよく噛んで食事をする方法を考える必要があります。
日々の食事から、お子様の健康のサポートを一緒に行いましょう!
歯
おとなの食育について
青年~壮年期は食べるものや
環境を考え、バランスよく
食べるようにしましょう。
家族や友人と食べたり、1人で食器にこだわったり、好きな音楽を聴きながら食べたりするなど精神的に満たされた状態で食事をすることが、きちんと食べるということに繋がります。

高齢者の食育

人は噛めるか噛めないかによって、自然と食べやすい食材を選び、調理法を変えています。国の統計では、歯が少なくなるほど野菜類や肉・魚を食べる頻度が減り、逆にごはんやパンを食べる頻度が上がることが明らかにになっています。柔らかい食べ物ばかり食べるようになると、噛む回数が減ってしまうので唾液の分泌量が減少したり、お口周りの筋肉が衰退しオーラルフレイルと呼ばれる滑舌や食の機能が機能低下してしまう状態になってしまいます。
同じメニューでも、切り方や火の通し具合を少し控えめにする(例:スライスで切っていた野菜を乱切りにする、長時間煮込んでいたものをさっと短時間炒める調理方法に変えるなど、)積極的に噛む回数を増やすような調理方法にすることにより、お口の機能低下を防ぎましょう!
食事の時は楽しく食べることを心がけましょう
ひとりで食事(孤食)をしたり、自分の好きなものだけを食べる(個食)が多いと食事の楽しみは半減してしまいます。家族や友人と一緒に食事をするように心がけましょう。1人でも楽しく食べることができたら大丈夫です。

バランスの良い食事

【ひみこのはがいーぜ】という
標語があります。
バランスの良い食事は機能の発達や、
予防をすることができます。
「よく噛む」8大効用
発達
味覚の発達
食べ物の味がよく分かるようになり、味覚が発達します。
言葉の発達
口のまわりの筋肉が発達し、表情が豊かになったり、はっきりとした発音ができるようになります。
脳の発達
脳の血流量が増えて活性化し、記憶力がアップします。
全力投球
噛む力が発達すると、食いしばることができるようになり、力一杯運動したり、勉強したりと必要な力が身に付きます。
予防
肥満予防
脳の満腹中枢が刺激され、少ない食事でも満腹感が得られます。
歯の病気予防
「だ液」がたくさん出ることで、むし歯や歯周病を防ぎ、歯をキレイに保つ手助けをします。
がん予防
「だ液」がたくさん出ることで、食べ物に含まれる発がん性物質や細菌を減らす役割をします。
胃腸快調
消化液の分泌が盛んになり、食べ物の消化を助け、胃腸の負担を軽くします。
おまけのはなし

歯や骨に悪影響があるクセ。「態癖(たいへき)」を知ってますか?

誰にでもあるクセ。その中でも、歯や顎に悪い影響のある癖をお教えします。
歯は、たった数グラムの弱い力が継続的に加わるだけで動いてしまう性質があります。ヒトの頭は子供でも1kg以上あるため、横向きやうつぶせ寝で歯を抑えたまま寝ると、知らず知らずのうちに歯が動き、歯並び・噛み合わせが悪くなり、顔の歪みなどを引き起こします。永久歯に生え変わる成長期のお子様は、時に歯が動きやすいので注意が必要です。
ちなみに、この歯の動きを
利用しているのが矯正治療です。